#04 海外フィンテック企業の投資サービスが急成長

#04 海外フィンテック企業の投資サービスが急成長
2017年12月5日 mfb

2017/12/05
株式会社エス・エム・エス・データテック
事業開発室 広報

 

お金を借りたい人とお金を貸したい人をマッチング

ここ数年、金融業界において最も注目されているトピックと言えば、やはり「フィンテック」と言えます。財務管理や決済、資産運用、クラウドファンディングなど様々な分野があげられますが、中でも融資の分野におけるソーシャルレンディングはめまぐるしい成長を遂げています。
ソーシャルレンディングとは、オンライン上のプラットフォームを融資の「市場」とみなし、資金を必要としている“借り手”と資金を供給する“貸し手”をマッチングさせることによって融資を成立させるものであり、特に「個人対個人」における融資はP2P(Peer to Peer)レンディングと呼ばれています。
このP2Pレンディングのプラットフォームを提供し、個人間融資市場という新たなマーケットを確立した企業こそ
Prosper Marketplace社です。

Prosper Marketplace

Prosper Marketplaceでは、個人的なローンの借り入れを行うことができるとともに、個人投資家も$2,000から$35,000の間でそのローンに対して出資を行うことができます。出資者は、借り手のクレジットスコアや今までの借り入れと返済の履歴、ローンの目的などの情報に加え、友人からの支持や所属するコミュニティなどの情報をもとに、借り手を審査します。そして、クレジットの格付けに基づいた利率を出資のリターンとし、投資を行います。

 

クレジットの格付けは機械学習におまかせ

Prosper Marketplaceの最大の特徴は、借り手のクレジットの格付けが機械学習を用いた独自のアルゴリズムによって最適に決定される点です。設立以来からいくつもの融資サービスを展開してきたProsper Marketplaceは、クレジットの格付けを機械学習によって与信判定することができるだけのデータとナレッジがあります。これによって格付けが決まり、低い格付けの借り手への投資はリスクを伴う分、リターンも大きくなります。

このクレジットの格付けは「公的な信用調査機関から得られたクレジットスコア」および「Prosper独自のアルゴリズムによって計算されたクレジットスコア」の2つの要素によって決定され、高い順に、AA、A、B、C、D、E、HRの7段階に振り分けられます。そして、この格付けを元に利率が決定され、投資家のリターンも決まります。最高ランクであるAAの場合は約4.15%、最低ランクのHRの場合、約11.66%がリターンとなります。
Prosper Marketplace自体は、このリターンのうちいくらかを仲介料として得ることによって収益を獲得する「手数料モデル」によって運営されています。
機械学習を用いて最適な評価を行う手法の詳しい内容については、アセスメントエンジンをご覧下さい。

 

ソーシャルレンディングが投資家にウケる理由

ソーシャルレンディングにおいて、クレジットの格付けが低い人は利率が高いため、投資家へのリターンが大きくなることは先ほど述べましたが、それは同時に貸し倒れのリスクが高いことを意味します。一方、そのリスクを避けるようにクレジットの格付けの高い借り手を選ぶと、ROIが低く投資案件として魅力のないものとなります。
一般に、Prosper Marketplaceにていくつもの出資をしている投資家は、クレジットの格付けの低くリターンが多い借り手を狙って出資しているようです。というのも、「他者から支援を受けられるような人であれば、クレジット格付けが低い人にも出資する」という考えが働いているのです。

新たな投資の市場としてとらえるというのは言い得て妙であり、投資家はこの市場における借り手の変化や景気の変化などに沿って戦略を変えていき、自身の投資利益を得ていく必要があるのです。実際のところ、Prosper Marketplaceでは家族の情報や所属コミュニティなど、借り手本人以外の情報も格付けに寄与しています。
ソーシャルレンディングという個人間の信用をフィンテックでつなぐという側面と、新たな投資の市場を創るという側面を持ち合わせたこのサービスは、投資家にとっても融資希望者にとっても、今後さらに身近なものとなり需要が高くなるでしょう。

企業基本情報

企業名:Prosper Marketplace
URL:https://www.prosper.com/
本社:アメリカ合衆国 サンフランシスコ州
CEO:David Kimball(2017年12月1日現在)

 

おわりに

このようなサービスは銀行やクレジットカード会社等の金融サービスと異なり、自己資金や自社で調達した資金による貸し付けは一切行っていません。つまり、厳密には貸金業に含まれることはなく、あくまで貸し手と借り手を結び付けるプラットフォームを提供する仲介の役割に過ぎません。さらに、貸し手は直接的に借り手へアプローチができなくなっています。
ただ、比較的投資の要素が色濃いサービスであるため、証券業者とみなして証券業の登録をするよう勧告を受け、その対応に追われたという事例もあります。このように、事業者登録などの関係がネックとなりサービスの展開が難しいとされていました。しかし、日本にも似たようなサービスとして、maneoSBIソーシャルレンディングなどのサービスが次々にローンチされ、成長しています。
フィンテックの分野に機械学習などのテクノロジーをうまく組み合わせたサービスは、今後もさらに加速していくでしょう。