#02 ビッグデータの収集をビジネス化した事例

#02 ビッグデータの収集をビジネス化した事例
2017年11月15日 mfb

2017/11/15
株式会社エス・エム・エス・データテック
事業開発室 広報

 

消費者の購入データの収集は最重要にして最難関

企業や小売店は、個人に最適な施策を打ち出すことが最も重要と考えられています。例えばGoogleではAさんがECサイトを閲覧していた場合、閲覧した履歴を記録しており、ほかのWebサイトを閲覧している最中にAさん個人に向けて広告を出しています。Googleは「検索エンジン」というサービスで個人の閲覧データを収集する仕組みを作っています。必要なのは個人に働きかけることなのです。

では、スーパーや商店街はどうでしょうか。ポイントカードを作ってもらい消費者のPOSデータ(=バスケットデータ)を収集することは出来ますが、別のお店での購入情報はとることが出来ません。数多くある購入店舗,商品や購入時期等の複雑かつ多量なデータ、すなわちビッグデータを収集することは非常に困難でした。
アメリカ企業でこのようなマーケティング担当を悩ませる問題を解決し、消費者の購入情報や動向を調査・分析出来るサービスを展開しているのが、InfoScout社です。

InfoScout

 

レシートに着目したデータ集積方法

InfoScoutでは、消費者自身に購入した「レシートの写真」を送ってもらうことで、前述したような取得が非常に困難な消費者の購入データを取得するという仕組みを採用しています。
各企業は、InfoScoutがレシートから読み取った消費者の購入データを受け取ることで、どのような消費者が、いつ、どこで、どのような組み合わせで、何を購入したのかというデータを取得することができます。一方、消費者は、レシートを送ることで現金やポイントの付与などの特典が受けられるほか、学校への募金などができる仕組みとなっています。

 

取得した購入データはマーケティング活動に還元

InfoScoutの最大の特徴は、消費者の購入データとFacebookでの動向を結びつけることで、消費者に最適な情報を届けることができるという点です。
消費者の動向として、インターネット上で手に入れた様々な情報が、購入につながるケースが少なくありません。InfoScoutではインターネット上での情報と購入データとのつながりを分析し、どのような消費者がどのような情報を見ているのかという情報を企業側に提供します。

 

その結果、各企業や店舗は今まで以上に効果的な施策や広告を出すことが可能になり、消費者としても、自分にマッチした商品情報が目に飛び込んでくるということになります。
さらに、InfoScoutでは、レシート送信時にアプリ内で簡単なアンケートをとっており、その情報からも消費者の動向を確認することができます。これらの情報はリアルタイムで確認することができ、即座に施策を打つことができるのも魅力の一つでしょう。

 

データ収集の難しさをクリアした秘訣

インターネットがない時代にはレシートの情報を送ることさえとても面倒なことであり、消費者が何に興味があるのかも調べることは容易にはできませんでした。しかし今となっては、消費者の興味に関してはSNSを使うことで簡単に手に入れることが出来ます。
InfoScoutが優れているのは、「消費者がレシートをInfoScoutに送ると、学校の寄付ができる」=「レシートを送ることが、子供たちのためになる」という仕組みです。この仕組みが、能動的に消費者の購入データを引き出す要因となり、これによってこのサービスが成り立っていると言えます。

アメリカでは、データを収集し、集められたビッグデータを人工知能を用いて解析し、マーケティングに生かすというビジネスが非常に成長しています。「データを持っている」こと自体がアドバンテージになるため、今後はInfoScoutのように、データを収集するというビジネスが日本でも急成長を遂げると考えられます。

ちなみに日本にも、「レシートマーケティング」というInfoScoutと同様のサービスを行っている企業があります。「レシートマーケティング」が提供しているサービス「レシポ」は、レシポの対象商品が入っているときのみポイントがつくというものであり、対象商品の数も少ないため、まだ日本では浸透していないという印象ですが、需要は時間とともに増加していくでしょう。

企業基本情報

企業名:InfoScout
URL:https://infoscout.co/
本社:アメリカ合衆国 サンフランシスコ州
CEO:Jared Schrieber(2017年10月12日現在)

 

おわりに

現代社会において、データを取得することは非常に重要であるにもかかわらず、まだまだ困難だと言えます。消費者のデータが集まってビッグデータとなり、情報を提供してくれた消費者にとって有益な情報を届けることができれば、メーカーや小売店のビジネスチャンスはまだまだ拡大していくでしょう。
日本では位置情報などに代表されるように、情報を公開することでサービスを得る、というモデルに関して抵抗がある人が多いと考えられますが、2020年以降のデータ売買の流通市場によって情報が売買されデータを公開することでよりよいサービスが得られると世論の考えが徐々に変化していくと考えられます。そのような社会の動きを察知し、より早い段階からデータを収集する手段を持つことは大きな武器になるのではないでしょうか。InfoScoutの消費者の購入データの収集方法のような、今までとは少し変わったデータの収集方法も、検討する価値が出てきそうです。